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2022

6/06

稽古始めは昔から…6才は分岐点☔


 

皆様こんにちは。

今日は朝から冷たい雨。
慌てて上に羽織る物を出して着ました。
6月でこんなに寒い日もあるのですね。
と思っていたら、今日が東京の梅雨入りだそうです。
どうぞ急激な気温の変化に体調を崩さないようにお気を付け下さい。

さて、子育てをしていると、今まで気にもしていなかった行事や風習にやたら詳しくなります。
『お七夜』『お宮参り』『百日祝い=お食い初め』『初節句』『一升餅』『七五三』…
小学校に上がるまでは、病気も多いし怪我も多い。
とにかく色々と手がかかります。
ですから、よくぞ今日まで元気に育ってくれた!
そしてこれからも元気に育って下さい!
と言う親の願いと、そう言う事を確認するためのものなのかもしれませんね。

そして、稽古始めは昔から【6才の6月6日】に始めると上達しやすい。と言われています。
日本人は昔から語呂の良い言葉が好きですからね。
でも、その言われの一つに面白いものを発見!
数を数える時に、手を開いた状態から指を折って6まで数えていくと、6の時に小指が立ちますよね。
そこから、『小指が立つ』→『子が立つ』→『子供の独り立ち』という説もあるそうです。
なるほど!なかなか面白い!

それでは、歯並びでも【6才】をキーワードに少しお話しようと思います。
生まれて直ぐの赤ちゃんは気道と食道と声帯の構造上の関係からまだ言葉を話すことが出来ません。
そんな中、赤ちゃんが安心を得る方法は?
そうです。
お母さんとのスキンシップと唇なんです。ですから、赤ちゃんって、口に物を入れて確かめたり、口の中に手を入れたり、指を吸ったりしていますよね?これは原始反射の一つで、約1才頃までは普通の行為です。
1才を過ぎると少しずつ離乳食が始まり、座位での飲食になってきます。
今まで赤ちゃんの時はおっぱいやミルクを飲みながら、同時に呼吸も出来ました。しかし、言葉を話せるようになるとともに、飲み物、食べ物を飲み込む時は息を止め、気管に飲食が入らないような構造へと変化していきます。鼻で息を吸い、口は飲食と話をする器官へと分かれていくのです。。

【指しゃぶり】は小さな子供にとっては心地の良いもので、ある意味ストレス発散になっています。そして、この行為は社会性が発達してくる頃(約3才~)に自然に消失していくもの(4才頃までにおさまります。)なのですが、上手く止められなかった子供は【爪かみ】に移行していきます。
実はこれが厄介なうえ、なかなか止めることが難しいのです。良くない事だと分かった上でしている行為なので、本人も後ろめたさがあり、親にも怒られます。これが更なるストレスとなり【爪かみ】が止められない無限ループに突入してしまうことになるのです。
これら一連の【指しゃぶり】【爪かみ】も【6才】までに無くなっていれば問題はありません。
実は言語の学習臨界期は5才と言われていて、5才までにしっかりとした50音の発音が出来るように身に付けておくことが大切です。
その大切な発音は、しっかりとお口の中で舌が色々な場所にくっつく事で音を変えて出しているのです。
きちんとした言葉を発する事が出来る=舌の位置も正しい。のですが、【指しゃぶり】【爪かみ】を必要以上に長く行うと、発音も舌足らずで舌が前方位をとるようになり、歯並びも悪くなります。それに伴い、口の周りに変な癖が出現します。(唇をなめたり、吸ったり、噛んだり、そして一番怖い口呼吸が始まります。)

【自然な行為】も、ある時期を越えると【おかしな行為】となってしまい、それがかえって自分のマイナスに働いてしまうことになるのです。

【6才】までに、しっかり【指しゃぶり】【爪かみ】を直しておくことが大切です。
その為には、3~4才までは、いやと言うほど【指しゃぶり】をさせてあげるのが良いのかもしれません。中途半端に叱ったり怒ったりすると【やりきった感】が得られないのでは?と考えます。
【反抗期】も【思春期】も徹底的にやると、【スッキリ❗】し、次のステージに移れるのだと思います。
これらは【発育段階】で必要な事なのですから、周りの大人がしっかりとサポートしてあげることが大切だと思うのです。

【怒る、叱る、注意する】事は大切な事ですが、小さいこともいちいちそうしていたら本当に怒らなきゃいけない時に、その効果が半減してしまいます。

【6才】は、歯並びの良し悪しが分かれていく分岐点です。
6才までにしっかり【食べる】【話す】の基本を身に付けて【指しゃぶり、爪かみを終わらせておく】ことで、次のステージにスムーズに移行出来るようになるのです。

新しい生活にも慣れて落ち着いてきた頃でしょうか。
6才ではありませんが、私も何か始めてみようかな😊

副院長 矯正認定医 清水直子