2022
4/17
表情筋:大切なのは【口輪筋】👄
皆様こんにちは。
久し振りの投稿になります。
ここ何週間か、何をするにも億劫で、気力が湧いてこないと言うか…こう言う経験があまり無かったので、どうしたものかと考えていました。
〝春〟という独特な季節のせいなのでしょうか。このところの気温の変動に、身体がついていっていなかった事は確かです。
過ぎてしまいましたが、令和4年4月4日が『何の日』だったかご存知でしたか?
(ごめんなさい。個人的に今年はこの数字が並んだ日が何だか気になって仕方がありません(笑)。)
木村家の創業者 木村安兵衛さんによって、桜の塩漬けが真ん中に入ったあんぱんが考案され、明治8年(1875年)4月4日に明治天皇に献上した日を記念して『あんぱんの日』となったそうですよ。
それにしても、毎日毎日TVでも今日は『◯◯の日』が多いこと。
あまりの多さにその有り難みが薄れてしまいそうな気がするのは私だけでしょうか?
しかし、人と言うものは〝特別な日〟〝記念日〟が大好きですよね。私もその一人(笑)。
一年に一度、その日を迎えて、ほんの少しでも〝その事〟〝その人〟を思い出すきっかけとなり、そこから色々波及してあーでもないこーでもないと話したりすることがいいのかな?と思ったりするわけです。
さて、随分間があいてしまいましたが、今回は筋肉【表情筋】についてお話しようと思います。
【表情筋】は骨格筋とは異なり、表層にあるとても繊細で薄い筋肉です。
人が初めて出会った時、一番最初に見るのはどこでしょう。
恐らく大半の方が【顔】と答えるのではないでしょうか。
哺乳類の中で、他の動物と人間との大きな違いは【表情】があることです。人間は、会話をしなくても様々な表情で感情を伝えることが出来るようになり、更に表情筋の発達をとげてきました。そしてこの表情でお互いのコミュニケーションをとることで、脳の前頭葉、小脳も発達させてきたわけです。
ですが、この表情筋に危機が訪れています!
コロナ禍で マスク生活 早三年。
顔の筋肉は極端に使われなくなってしまいました。大声は出せない、笑うことも減り、表情を豊かにする機会は減り、マスクに半分隠された生活では表情も簡略化され、黙食、会話を極力しないようにと、色々な場面での制限。
更にマスクが息苦しくて【隠れ口呼吸】が実に増えてしまい更なる危機が。
いつまでこの生活が続くのでしょうか…。まだまだコロナ生活の出口は見えません。
そんな中、当たり前なのですが、色々な変化が生じています。
思い出して下さい。
機能は、【使わなければ衰える】のです。
コロナ前でも現代人は、使わなくてはならない機能を使わなくなったことで、身体のあちこちに症状が出始めていました。
【便利な世の中】→【機能低下】→【お金を使って機能を補う】
何だか文字にすると不思議な感じがしますが…更にこのコロナ禍が追い討ちをかけており、筋肉の衰えが進んでいます。
ここで注目するのは口の周りの筋肉【口輪筋】です。
読んで字のごとく、口の周りを一周したわっか状の筋肉です。良く見ると、顔の表情筋の殆どが口輪筋にくっついていませんか?そうなんです。薄い表情筋、それぞれの起始部は異なるのですが、停止部の殆どが【口輪筋】に終わっているのです。
喜:口角を上げる。口が開く。
怒:口角を下げる。口を尖らす。
哀:口角を下げる。口をへの字にする。
楽:口角を上げる。笑う。
【口輪筋】が動けば、そこにくっついている頬の筋肉や目の周りの筋肉も動くのです。
と言うことは、口がきちんと閉じている人は、常にお顔の筋肉に程よく力がかかった状態にあると言うことで、その反対にポカンと口が開いている人は、お顔の筋肉もたるんでいる。と言うことなのです。
この【口輪筋】が緩むと、途端に表れてくるのが【ほうれい線】です。筋肉を動かせば、筋肉繊維の柔軟性が上がり更に良く動くようになります。良く動く筋肉は血流が上がり血行が良くなり新陳代謝も上がるのです。
いくら外側からマッサージしても、疲れた筋肉(顔の深部にある大きな骨格筋:咀嚼筋)はほぐせても、この薄くて繊細な表情筋にあまり効果はありません。
女優の『仁科亜季子さん(69)』の若さの秘訣は、毎日行う【いーうー運動】だそうです。
口を横に引っ張り、口を尖らす運動は、ダイナミックに顔の表情筋を動かします。この為お顔の血行は良くなり、【口輪筋】に力(筋トレの出来た状態)がつくため、お顔全体の筋肉の張りが出てくるのです。利にかなっていますね。
更に口に力がつけば、歯並びも崩れません。しっかりと歯並びを安定させ、更に前回、前々回にお話した【舌ベロ】が上顎にしっかりついていると、顎の下のたるみもなくなり若々しい印象となるわけです。
たったこれだけのことで、お顔のたるみも、血色も、二重あごも無くなるのなら、今日からやらない手はないですよね。
【顔】はその人が生きてきた履歴書です。
良く笑う人は、その筋肉が良く発達し、不平不満ばかりの人はその表情を作る筋肉が発達します。食べ物と同じで表情も、好き嫌い無く喜怒哀楽のある生活を送れば、その表情を作る筋肉の動きも良くなり、動きが良くなればそれが【アンチエイジング】になっているのです。
毎日、何気なくしていることも、ほんの少しの意識の仕方でアンチエイジングになったり、そうでなかったりするなら、自分が出来そうなことを今日から始めてみる方が良さそうです。
【口輪筋】を鍛えると、顔のリフトアップ、シワの軽減にもなり、空いている時間にいつでも出来そうでいいですね。
コツコツ毎日続ける事が大切です。
表情筋の中で一番重要な筋肉は【口輪筋】であることが分かれば、ポカンと口を開けていることが如何に良くない事か、ご理解頂けたかと思います。
歯並びに関わる様々な事を6回に分けてお話してきましたが、色々な事が複雑に絡み合っていました。
人がもって生まれた機能をきちんと使ってあげれば、素晴らしい結果をもたらす事も分かりました。
【便利な時代】に逆行しなければならないことも多々ありましたが、昔から言われている〝躾(しつけ)〟を今一度見直す時が来ている気がします。。
先ずはその見本を大人が。そして子供達に伝えていくことこそ大切な事なのだと思うのてす。
今日も最後までお付き合い頂き有難うございました。
次回もどうぞお楽しみに。
参考書籍
副院長 矯正認定医 清水直子